外傷による出血

出血を伴う外傷には以下の種類があります:

切創:刃物などの鋭利物による損傷

裂傷:皮膚が2方向に引っ張られることによって裂ける損傷

割傷:裂傷が皮膚組織を引き裂き、内臓・骨を露呈する損傷

摩擦傷:摩擦による損傷

出血が多い場合ほど、迅速に止血処置を行いすぐに医療機関にて受診しましょう。

第3者の止血の処置を行う際には、患者、自身の感染防止のため、可能であれば滅菌ゴム手袋を着用し、直接傷口や血液に触れないようにする。

直接圧迫止血法

出血している傷口を、清潔なガーゼやハンカチ、タオルなどで直接強く押さえて圧迫する

土や砂などが付着している擦り傷の場合は、水道水などで付着物を洗い流してから直接圧迫止血を行う

大量の出血で止血しにくい場合は、両手でより強く押さえて、しばらく圧迫する

出血が止まったら、傷口を洗浄後、殺菌・消毒効果のある軟膏を塗布する。ベトナムで購入可能な、Bactroban(バクトロバン)やFucidin(フシディン)などの殺菌・消毒軟膏を強くおすすめします。

深い切傷には、Betadine(ベタディン - 消毒液)を用いて殺菌・消毒する

救急絆創膏など、被覆材を貼る。この際、過度の圧迫に注意する。

被覆材を貼った後は、以下に注意する:

過度に圧迫されていると、血流が悪くなります。患者の爪の色を確認してください:爪を指で圧迫し、元の色に戻るのに3秒以上かかる場合は、血流が悪くなっている状態です。

止血が非常に困難な場合は、止血帯を使用しますが、使用の際は注意が必要です。20分ごとに止血帯をゆるめ、血流を確保します。定期的に血流を促すことで、壊死を防ぎます。

腹部打撲による、内臓出血は、初期の段階では見落としてしまう場合があります。軽度の場合は、打ち身によるあざ、腫れ、あざ周辺の痛みなどがあります。また、嘔吐物や尿に血が混ざることもあります。

腹部打撲ご、腹部のけいれん、呼吸困難などが見られる場合は、直ちに救急医療機関に連絡をしましょう。(ホーチミン市の当院の救急医療は*9999)。患者をよく観察し、落ち着かせることが大切です。外傷による出血がある場合は、止血を行います。患者の意識がない場合は、左脇を下にして寝かせ、脚を身体より高くします。